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商品コード 20101163
在庫数
予想を覆す良好な熟成を示したヴィンテージ
公開媒体 April 2020 Week 2, The Wine Advocate
著者 Lisa Perrotti-Brown
評価時期 2020年4月
スコア 88
飲み頃 2020 - 2024
公開媒体 140, The Wine Advocate/Bordeaux 4th Edition
著者 Robert M. Parker, Jr.
評価時期 2002年4月
スコア 88
飲み頃 2004 - 2017
シャトー ローザン セグラ
1855年パリ万博の格付時に第2級2位の高位に位置したローザン=セグラは、1600年代に Ch.マルゴーのディレクターだったピエール・ド・ローザン氏により開かれました。ピエール氏は当時、 Ch.ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドとCh.ピション・ロングヴィル・バロンの葡萄畑の所有者でもありました。1789年のフランス革命では葡萄畑の3分の2がローザン=セグラに、3分の1がローザン=ガシーに、2つのローザンに分割されました。そして1855年パリ万博格付により第2級となりましたが、当時は第1級は4シャトーのみであり、第2級シャトーのトップは現第1級ムートン・ロートシルトでした。 1973年のムートン・ロートシルト第1級昇格後は、残る14の第二級シャトーの筆頭に位置付けされることになります。尚、シャトーの建物は火災で一時焼失しており、1903年に新築されています。
シャネル社所有の華麗なるシャトー
メドック格付第2位のトップに君臨したシャトーローザンセグラですが、1960年代~1970年代頃、評価を落としていた時期がありました。1983年にエミール・ペイノー博士がコンサルタントとなり、86年に醸造設備が更新されステンレスタンクの設置がなされた事から復活の兆しが現れ始めます。博士らの復活計画自体は親会社の経営難故に頓挫したものの、1994年に強力な所有者が現れます。シャネルのオーナーでもあるヴェルテイメール家です。彼らは元々、1993年にシャトーラトゥールの買収を試みており、失敗に終わりました。しかし翌年にはローザンセグラに出会い買収に成功します。ヴェルテイメール家としては販売戦略としての企業買収ではなく、私的にローザンセグラの所有に意欲を示していたということでした。ヴェルテイメール家はシャトーに対し惜しみなく手をかけ、畑に配水管を埋め込む工事を行いました。工事は2000年に完成し、配水管の総延長は15kmにまで及びました。支配人であるジョン・コラサは当時こう述べています『畑の質の8割は土壌そのもので決まるが、残り2割は水に左右される。シャトー・ローザン・セグラのみならず、マルゴー全体の問題は、その水にあった。排水が悪かったのだ。』
蘇ったローザン・セグラの畑
1994年からのシャネルの大きな投資により、ローザンセグラの品質は蘇りました。支配人ジョン・コラサ氏は10年近くシャトーラトゥールの支配人も務めた人物で、2015年からはシャトーシュヴァルブランのアルゼンチンプロジェクト、テラザスから招聘されたニコラ・オードヴェール氏が新たにテクニカルディレクターに就任しました。ローザンセグラの葡萄畑はシャトー周辺にモザイク状に点在しており、それぞれの区画毎にテロワールに合わせて最適な葡萄が栽培されています。平均樹齢は39年で、カベルネ・ソーヴィニョン60%、メルロー36%で残りの 区画にカベルネ・フランとブティ・ヴェルドが栽培されています。収穫は畑の葡萄そのものをかじって時期を判断するそうで、丁寧な手作業により行われます。
シャトー訪問記
醸造は重力を利用し、小さなステンレスタンクを使うように配慮しています。カーヴではフランス産のならや樫の木樽を使用し、新樽比率はヴィンテージによって変えており、訪問した際の2016年ヴィンテージは65%が新樽でした。試飲は雹により収穫が少なかった2011年と、非常に成功したヴィンテージと言われる2006年でした。特に2006年はトリュフやベリー系ジャムなどの果実香で、時間の経過とともに少しづつ華やかでエレガントな香りが広がるワインでした。