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商品コード 20101233
在庫数
公開媒体 The Wine Advocate
著者 William Kelley
評価時期 2023年4月
スコア 95
飲み頃 2027-2055
シャトー ラグランジュ
戦争と大恐慌による大きな危機を迎えましたが、大手飲料会社サントリーにより蘇りを果たした異色の歴史を持つシャトーです。
日本企業サントリーによる大改革
シャトーの歴史は古く、17世紀頃のワイン地図に既に記載されています。1842年にルイ・フィリップ朝において内務大臣などを歴任したデュシャテル伯爵が所有者となり、1855年のメドック格付けで3級に格付けされました。しかし、その後経済状況の悪化により所有者が入れ替わり、品質が低下します。1983年にサントリーが購入。かつてボルドー大学で醸造研究所長を務めていた醸造学者で、シャトーマルゴーの再生も成し遂げていたエミール・ペイノー博士に協力を要請しました。ペイノー門下生であるマルセル・デュカス氏が社長に、同じくペイノー氏の元で学んだサントリーの鈴田健二氏が副会長に就任し、畑から醸造所、シャトーまで徹底的な改革を行い、ラグランジュは復活を遂げ、世界に認められるワインへと成長しました。現在は、ブルーノ・エイナール社長と椎名敬一副会長の下、ラグランジュの持つテロワールの限界に挑戦する「創造」のステージに進み、さらなるラグランジュの品質向上に取り組んでいます。
自然との共生を目指したワイン造り
作付面積は117haで、その内赤用品種が113haとなります。2つのなだらかな丘陵が広がる、沖積層の砂礫質土壌で、表土は珪土・砂利質、その下は粘土・石灰岩質の土壌です。リュット・レゾネを実践し、2005年にテラ・ヴィラティスの認証を取得しています。また、畑の間には草を生やすことにより草が水分を吸って余計な水分を自然と減らすことができるようにするなど、自然との共生を目指したワイン造りに転換しています。1haあたり7,500から8,500株という植樹密度。3本の針金を張ったメドック仕立てで、多くの日照量を得るために添え木をして枝を広げます。畑は105区画に区分され、区画毎に成熟度を管理し、手摘みで収穫、選果台で選果が行われています。2008年から醸造タンクを小型のものに入れ替え始め、2011年中に入れ替えが完了しました。これにより105区画すべてのブドウを、区画毎に醸造することが可能となります。そのため、区画毎にぎりぎりまで完熟させるために収穫を遅くすることや区画の特徴に合わせた醸造が可能となります。