3ヴィンテージ目の超力作
2018年は内田氏のミラクル3ヴィンテージ目の超力作です。前年の2017年はボルドー全体で春の遅霜に襲われ、ドメーヌ内田の僅か0.6ヘクタールの葡萄畑にも大きな影響を及ぼした年でした。被害を免れた広大な葡萄畑を持つ他のシャトーでは例年より少ない生産量となり、彼のマイクロワイナリーではワイン造りを断念せざるを得ない状況になりました。2018年に誕生したミラクルはおよそ3500本。内田氏はこの年、ステンレスタンクとオーク樽に加えて、現代の自然派BIOワイナリーで主流となっているアンフォラ(素焼きの壺)をいち早く取り入れた醸造を行うなど、酸化防止剤はほぼゼロのワインを造りました。
復刻の「ミラクル」ヴィンテージ
ミラクル2017年を断念せざるを得なかった前年、メドックマラソンに訪れたSOPEXAやボルドー委員会などがマイクロワイナリーであるドメーヌ内田の噂を聞きつけ取材に訪れました。さらにドイツの新聞「ディヴェルト誌」にもボルドーワインを造る日本人ヴィニュロン(葡萄栽培から醸造までを行う人)として大きく取り上げられるなど、内田氏のワイン造りがヨーロッパ各国に伝えられることとなりました。1年間のワイン造りの収入が途絶えた2017年は、彼の名声が逆に世に広まるきっかけとなりました。この2018年ミラクルは、まさに逆転の運命を辿った復刻の「ミラクル」ヴィンテージとなりました。